2014年6月27日金曜日

ベビーカー

 狭い店内でベビーカーを押していると、前から六十歳前後のご婦人が来られた。すれ違うほどのスペースがなかったので、私は手前で曲がったのだが、その方はベビーカーが来る!ぶつかる!どこへ逃げよう!と焦ったのだろう、私が曲がり終わった後に、「ああああ~」と声を出してのけぞり、バリボリバリ…と後ろに積んであったインスタントラーメンの山にお尻を付いてしまった。ベビーカー、恐るべし!
 その店を出てすぐ、白い杖の男性がパチンコ屋の前に停めてあるたくさんの自転車の隙間を縫うように歩いているのを見かけた。何か勘違いされて、思いがけない場所に迷い込んでしまったのかな?と心配しながら、ただ見ていた。ベビーカーを押していなければ、すぐに近寄って声をかけたかもしれないが、段差があるし、ベビーカーの通れないような隙間を歩かれていたので、戸惑いながら見ていた。するとその男性は、パチンコ屋の入り口までたどり着くと平然と入店された。目の不自由な方はパチンコをしないし、狭いところは歩かないと、勝手な先入観を抱いていた自分に気づいた。ベビーカー、ありがとう!

吉ちゃん作:ちくわをにぎる八ちゃん

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